適用事例

航空

高硬度化

航空機の部品には、燃費改善を目的として、チタンやインコネルなど非常に硬い材料が使われています。神戸製鋼所のPVDコーティングは、こういった硬度が高く切削が難しい素材を加工するための工具に適用され、切削性能の向上や長寿命化に貢献しています。
神戸製鋼所のPVDコーティング装置は、ダイヤモンド相当の硬度を持つ皮膜(ta-C皮膜)の形成に加えて、30μm以上の厚膜化も実現可能。さらに耐摩耗性、耐エロージョン性、耐酸化性、摺動性などの特性も付与できるため、工具だけにとどまらず、航空機の部品そのもの耐久性アップも実現できます。

厚膜化と硬さの両立

<独自開発の「AIP金属窒化膜厚膜」>
高硬度と厚膜化の両立は、従来のコーティング技術では実現が困難でした。
具体的には……
AIP金属窒化物膜:高硬度だが、厚膜化できない
CrN膜:厚膜化は可能だが、高硬度化できない(硬度を抑えることで圧縮応力を減らし、厚膜化を可能にしているため)
神戸製鋼所では、この課題を解決する皮膜を独自に開発。高硬度化と厚膜化を同時に実現する「AIP金属窒化膜厚膜皮膜」は、すでに航空業界をはじめ様々な業界に適用され、確かな実績を残しています。

主な適用先

ジェットエンジン用ブリスク

ジェットエンジン用ブリスク

「ブリスク」とは、エンジンのタービンブレードとディスクを一体化させた部品です。部品の一体化は、「組立工数・部品点数の低減」「軽量化による最高出力向上・燃費効率の向上・CO₂排出量の抑制」「クラックの発生リスク抑制(部品の継ぎ目がないため)」などのメリットをもたらしますが、その一方で、「ブレードごとの交換ができず、メンテナンスコストが増える」というデメリットもあります。

基材重量のロスを低減

タービンブレードに水滴などが衝突することで発生する「エロージョン(浸食)」は、メンテナンスやブレード交換の頻度上昇を招く要因の一つであり、このエロージョンの発生を抑制することは、メンテナンスコストを低減するために重要な課題といえます。神戸製鋼所では、耐エロージョン性能に優れたPVD厚膜の形成が可能。ブレード表面にコーティングを施すことで耐久性向上を実現します。

推奨皮膜・装置

皮膜
装置
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