皮膜特性
SG(CrN)
「SG皮膜」は、比較的柔らかい(TiN皮膜やTiAl皮膜よりも硬度が低い)皮膜であるため、内部の圧縮応力が小さく、優れた密着性と厚膜化を実現することができます。また、「SG皮膜」は、摩擦係数が低く、DLC皮膜の代替皮膜として使用されることもあり、自動車部品を中心に多種多様な分野で活用が進んでいます。
推奨アプリケーション
・自動車部品
・エアコンコンプレッサ部品
・油圧部品
・工作機械部品など
適用事例
ピストンリング
ピストンリングは、エンジンのシリンダとピストンの隙間を塞ぐ部品。燃焼ガスの漏れを防ぐことで、燃焼室内で発生したエネルギーを無駄なく推進力へと変える働きをしています。
ピストンリングは非常に過酷な環境で使用されるため、摺動面には「Crめっき」「溶射」「窒化」など時代によって様々な表面処理が施され、耐久性が高められてきました。1990年代初頭からは、RV(Recreational Vehicle)向け小型ディーゼルエンジンの高負荷化を背景に、耐焼き付け性や耐摩耗性の高い表面処理へのニーズが増加したこともあり、過酷な環境下でも高い耐久性を発揮する「CrN皮膜」がピストンリングに適用されるようになりました。